ぐっちー「誰がこんな路地裏まで行けと言った…………」
清衣「あまり聞かれたくないから」
ぐっちー「そうかい…んじゃ色々聞きたいことあるから聞かせてもらおうかね。まず、何処に行っていたのか…失踪していた理由から聞かせてほしい」
清衣「…そうね。失踪していた理由はとあるゲームを追ってたから。私はそのゲームを今も追いかけている」
ぐっちー「ゲーム?」
清衣「聞いたことない?願いが叶うゲーム『セレクターバトル』の話」
ぐっちー「ないな」
清衣「そう…じゃあ最初から話す必要がありそうね…」
ぐっちー「頼む」
清衣「セレクターバトルは、これまで何度も開催されている。参加者はランダム…セレクターというくらいだから選ばれた人間しか参加できない。そして一番新しいセレクターバトル以外は女性しか参加していなかった。…というよりは最新のセレクターバトルが異質なんだけれど」
ぐっちー「…………」
清衣「最新のを除き、セレクターバトルに勝利した人は夢限少女となり、願いを一つ叶えることができる。…けどそんなものは言葉のあや…実際に叶えてくれるのは相棒」
ぐっちー「相棒?」
清衣「ええ、セレクターバトルの参加者…選ばれた者は意志を持つデュエルモンスターズのカード、ルリグを得るの」
ぐっちー「ふーん…意志を持つカードねぇ…」
清衣「勝者は夢限少女となり、自らの肉体と願いをルリグに託す…そして夢限少女となった者はルリグとして生まれ変わる。そして再び選ばれればルリグを得て…」
ぐっちー「…の無限ループか」
清衣「そう。そして敗者にも当然ペナルティはある。3敗すれば脱落となり、ルリグを失う。そして願いが逆転して自らに返ってくる…」
ぐっちー「それって…億万長者を望めば金は消え、病気を治そうとすれば不治の病にかかるみたいなことか?」
清衣「ええ。理由はこのゲームがある少女の負の感情から誕生したものだからよ。セレクターたちは自らの願いのため醜く争い…そして精神を汚していく」
ぐっちー「でもお前は勝ったんじゃないのか?」
清衣「…ここからが私の消えた理由よ。あのゲームは屁理屈が通る…だからこそ勝者が確実に幸せとは限らない」
ぐっちー「そうなのか…」
清衣「私には、病気の友人がいたの…突然意識不明になり、彼女は病院に搬送された。医者に聞いても原因は不明…そんなとき私はセレクターに選ばれた。そう、願いを叶えられるゲームへの挑戦権を手にしたのよ」
ぐっちー「参加したのか」
清衣「ええ、当然参加したわ。その時はこのゲームが果てしない闇の連鎖とも知らずにね…私は相棒のルリグと共にデュエルを続けて、勝利し続けた」
ぐっちー「ん?そういやこのゲームの勝利条件はなんなんだ?」
清衣「勝利条件はデュエル中にセレクターとルリグの絆によりルリグが完全体に成長(グロウ)し、そのデュエルに勝利することよ」
ぐっちー「難しいな…」
清衣「でも相棒となったルリグはとても親切で…戦う度に絆は深まったわ。私も信頼していたわ。あの時までは…」
ぐっちー「あの時?」
清衣「私が夢限少女となるきっかけになった最後のデュエル…」
清衣 (残りライフ100) 手札1
相手の少女(残りライフ4000) 手札0
相手の少女「もう絶望的ね、サレンダーしたら?wwww」
清衣「サレンダーはしない…私はここで負けるわけにはいかないの!」
???「そう…ですよ!清衣ちゃんはとっても友達想いの優しい子なんです!あなたみたいな自分中心の女の子に負けるわけにはいかないんですよぉ!」
清衣「リメンバ…」
リメンバ「でしょ?清衣ちゃん!」
続く
次回予告!
清衣が話す、デュエルの行方…絶望的な状況からの覚醒により耐え、清衣は逆転への道筋を見つける。その発見が新たなる絶望への第一歩となるになるとも知らず…………
次回「嘲笑!砕かれた希望」